龍の絵描く人のブログ

日本画風の龍を専門に描くデジタルアートJPNDragonの雑記ブログ。

【黒龍】についての全て|黒龍は悪いヤツ?神話や伝説・風水やスピリチュアルにおけるご利益について

【黒龍】についての全て|黒龍は悪いヤツ?神話や伝説・風水やスピリチュアルにおけるご利益について

どうも龍の絵を描く人じぇいぴーえぬでぃー(@jpn.dragon)です。

さてさて先日は青龍のお話をしたので今日は黒龍の話をしようかと思います。これからしばらくに渡って龍の色による違いを語っていくつもりですのでお楽しみに。

さて黒龍といえばその色合いから悪い龍なんじゃないかって思われてそうなところですが、実はそんなこともなかったりします。

というわけで黒龍について詳しくお話ししてまいります。

 

 

黒龍の姿について

www.instagram.com

まずは黒龍の姿、見た目についてお話します。名前からもわかる通り全身が黒い龍のことを黒龍と呼びます。

日本画だと水墨画なので黒色の龍が多いですが、あれが黒龍なのかどうかはちょっとわかんない。

他の龍と違って後ろ足のない龍、前足2本だけとして描かれることも多いです。

 

黒龍の性格

日本を含む東洋において龍は基本的に神さま、龍神様と呼ばれるのが一般的ですが、黒龍はその見た目から他の龍とは違い悪い龍として描かれることもあります。

黒龍は光を嫌うため、仄暗い海の底に普段は暮らしているという性格もあります。

とはいえ完全に悪い話ばかりなのかといえばそうではなくて、五行思想の四神を龍に置き換えた異説では玄武の代わりに据えられています。

 

五行思想では玄武の代わりに黒龍

龍には古代中国が発祥の五行思想という考え方が密接にかかわっています。

一言でいうと全てのものは5つの元素からできているとする考え方です。

五行思想の図

元素 方位 季節
西
中央 土用

 

本来であれば、それぞれ四神が司るとされています。

  • 青→青龍
  • 赤→朱雀
  • 黄→麒麟
  • 白→白虎
  • 黒→玄武

とはいえ中にはこの生き物をすべて龍に置き換えたバージョンの説もあるんです。神楽の曲目である「五龍王」とかはまさにそれと同じ考え方かと。

そのため黒龍は北や冬、そして水を司る龍神様とも言われています。

 

九頭竜川は昔、黒龍川と呼ばれていた

九頭竜川は昔、黒龍川と呼ばれていた

上述の通り、黒龍は四神のように扱われ龍神様として描かれる道教の考えから、日本でも黒龍信仰というのが昔からたくさんあります。

そのため川などの護り神として黒龍を祀っている神社は日本各地にあるんですが、今日は中でも有名な福井県九頭竜川についてお話ししようと思います。

 

昔々、国を守るためにの四方に神様が降り立ってきました。

東は常奥の鹿島大明神、西は安芸の厳島大明神。南は紀伊の熊野大明神。そして北には越前の崩山の黒竜大明神。これらそれぞれに神様がいたとされています。

そしてこの黒龍大明神の前を流れる川は黒龍川と呼ばれました。その黒龍川が時代を経て九頭竜川という名称に変わったという説があります。

 

そのため福井県にある黒龍大明神は北の四大明神と呼ばれ、非常に人気のあるパワースポットの一つとして知られているわけです。

 

黒龍と黒姫の神話伝説

もうひとつ黒龍にまつわる長野県に伝わる有名な神話をお話ししようと思います。

 

昔々、高梨政盛という武将様がいまして、彼には黒姫という娘がいました。あるとき黒姫の元に立派な身なりをした若者が現れます。

彼は花見の席で黒姫を見かけて彼女を嫁にしたいと求婚をしてきたのですが、なんと自身は大沼池の主の黒龍であると言いました。彼に惹かれる黒姫をよそに高梨政盛は人間以外の者に娘をやれんと断ります。

ところが黒龍の求婚は連日続き、高梨政盛も折れて乗馬で決着をつけることを提案します。

ですがこれは高梨政盛による罠で、痛めつけ殺されかけた黒龍は怒って嵐を呼び大洪水を巻き起こします。それを見た黒姫は父である高梨政盛を責め立て、ようやく高梨政盛が婚姻を認めます。

黒龍は黒姫を背に乗せ飛び去り、二人は山の池に住むことにしました。

そしてこの山は以後、黒姫山と呼ばれるようになったそうです。

長野県にある有名な黒姫山の名称にはこんな由来、神話があったんですね。

 

黒龍が持つスピリチュアル、風水的な意味

黒龍が持つスピリチュアル、風水的な意味

そんな黒龍はスピリチュアル、風水的なご利益がとてもたくさんある生き物でもあります。

玄武と同様に水を司る生き物なので、火除けとしてもご利益があります。

龍の風水、ご利益に関しては下記の記事で詳しく紹介しているので興味のある人は是非あわせてご覧ください。

関連記事→【龍はなぜ縁起が良いのか】縁起物の龍の置物・絵・言葉が持つ意味について解説

 

黒龍には名前がある

また、黒龍には名前もあります。

道教において黒龍を人神格化した名前として「北海黒龍王敖順」というのがあります。

人神格化はめちゃめちゃ簡単に言うと擬人化みたいなもの。神様は人知を超越した存在なので、人間の姿を与えることで信仰しやすくなるってことですね。

だいぶ噛み砕いて言ってますが。

 

最後に

以上、いかがだったでしょうか。悪い龍のイメージがある龍も一概に悪いとは言えませんね。

個人的には黒姫伝説の神話を語れただけでもハッピーです。めっちゃロマンチックで良い話だと思うんだよね。

このブログでは他にも龍のことについてめっちゃたくさん語っています。もし興味があればぜひ合わせて読んでもらえると嬉しいです。

 

この記事が好きな人は下記の記事もおすすめです。