【龍の爪】指の本数の意味「中国が一番で日本は韓国や沖縄より格下?」3本~5本の爪がある理由
どうも龍の絵専門のアーティストじぇいぴーえぬでぃー(@jpn.dragon)です。
さてさて今日は龍の爪、指についてのお話をしていこうかと思います。言うまでもなく龍は伝説上の生き物です。なので指や爪の数がまちまちだったりするんですね。
例えばこれが人間だと(基本的に)5本と決まっているので、まちまちに描かれることはないでしょう。
とはいえ龍の爪の数ってただの気まぐれで変わってるんじゃないんですよね。
ちゃんと意味があって龍の爪の数が描き分けられているんです。
- 龍の爪、指の数は3~5本
- 【九似】龍の爪は鷹に似る
- 5本の爪、指を持つ龍の意味
- 4本の爪、指を持つ龍の意味
- 3本の爪、指を持つ龍の意味
- 日本の龍は割と自由に本数が変わってる事実
- 何本指の龍が良いかは自分で決めてください
- 最後に
龍の爪、指の数は3~5本
基本的に日本画として描かれる龍の爪は3本から5本であるのが一般的です。
ちょっと趣向を変えて生物学的な話をすると、鳥とかは3本しか爪がありませんし、うちに2匹いるニャンコちゃんも実は後ろ足は4本しか指がありません。
馬に至っては1本しか指がないんですよ。
でもこれって完全に指がないんじゃなくて、退化して見えなくなっただけで骨格的には指が残ってたりします。
なので勝手な持論ですが、3本指の龍も4本指の龍も退化しただけで実は5本指の名残があるんじゃないかと思ってます。
【九似】龍の爪は鷹に似る
龍の爪だけでなく、その姿を説明するためによく言われる「九似」という言葉があります。
このページでは爪の話だけにクローズアップしてお話しするので割愛しますが、九似は「龍の姿は9つの生き物に似てる」とした文書です。明時代の中国1569年に刊行された「本草綱目」という書物に記述されているそうです。
この「九似」によると龍の爪は鷹に似ているとのこと。
ちなみに鷹の爪は前3本の後ろ1本で計4本です。
5本の爪、指を持つ龍の意味
さて、ここからは龍の指または爪の数にどういった意味があるのかお話ししていきますね。
中国皇帝だけに許された五爪龍
まず言うまでもなく龍は中国から日本に伝わってきたものです。
中国の明から清時代までにおいて中国では龍の爪の数に対する明確な決まりが存在したんですよね。
有名なところですが、明や清時代において5本指の龍を使っていいのは中国皇帝だけだと言われていました。
なので当時中国で描かれた龍は皇帝よりも格下であることを意味する四爪龍が多く、そのさらに格下の者は三爪龍だったそうです。
4本の爪、指を持つ龍の意味
先ほども言った通り、昔の中国においては龍の爪の数が階級を象徴しているとの話をしています。この当時における四爪龍は皇帝ではない貴族や、皇族、地方の王などが使っていたとされています。
近隣国である韓国の龍も爪が4本のことが多いのはそのためだそうです。
沖縄の龍は4本指
「中国に忖度して韓国の龍は4本指」 というお話をしましたが、同様に沖縄の龍も4本爪で描かれることが多いです。
沖縄は今でこそ日本の一都道府県ですが、かつては琉球王国という独自の国があったのはご存知かと。
そのため沖縄の首里城などで見れる龍の装飾は4本爪の龍だそうです。
3本の爪、指を持つ龍の意味
おそらく日本で最もオーソドックスな手が3本指の手です。龍は基本的に爪が3つとして描かれることが一番多いです。
中国>韓国>日本?
「皇帝が5本」「韓国が4本」「日本が3本」とされているのは当時、日本が一番格下ってことなんじゃないかという話もあります。
とはいえこれは基本的には誤り。
そもそも日本人は偶数が嫌いなんですよね。
奇数は神聖で縁起の良い数字と言われているため3本の爪の龍が多いとか。逆に四という数字は死を意味するともいわれてますし、日本において縁起の悪い数字というのはご存知かと。
また日本では龍のように実在しない生き物や妖怪の指の数を、人間とは違う3本にしたという説もあります。
日本の龍は割と自由に本数が変わってる事実
と、ここまで龍の爪の意味についてたくさん語ってきたんですが、ぶっちゃけると解釈は自由かと。
というのも日本で描かれた龍の絵は意外と爪の数がバラバラだからです。
例えば狩野探幽の描いた京都妙心寺の天井画「雲竜図」は3本指ですが、建仁寺の天井画「双竜図」は5本指だったりします。
画像出典:建仁寺 公式ホームページより
また明治期に活躍した狩野芳崖は「龍虎図」では3本指の龍を、「飛龍戯児図」では4本指の龍を、「飛龍昇天図」では5本の指の龍を描いています。
何本指の龍が良いかは自分で決めてください
龍の指の本数の意味とか言っても数百年も前の話です。もし今あなたが例えば「タトゥーを入れるのに龍の本数で悩んでる」とかなら自分で意味を決めるのがベストかと。
五爪龍は皇帝しか使っちゃいけないとか勝手に言い出したのってどうせ皇帝だし、4本よりも3本の方が良いと言ったのも誰かが勝手に言ってるだけです。
そんなことよりも自分が何本の爪が良いのかと、自分で意味を持たせる方が良いんじゃないかと思いますね。
なんだか本末転倒的な記事になっちゃったけどw
最後に
いかがだったでしょうか。話をまとめると、
明、清時代の中国の階級を表すために指の本数が決められていることが多い。とはいえ日本では結構バラバラに描いてるし、階級以外にもいろんな意味がある。
って感じになりました。
ちなみに僕は4本指が好きです。鷹の爪に似てるんだったら鷹と同じ本数なのが一番正しい気がするから。5本指はやっぱり人間っぽ過ぎるきがするかな…。