龍の絵描く人のブログ

日本画風の龍を専門に描くデジタルアートJPNDragonの雑記ブログ。

【仏教における龍の意味】仏教と龍の起源|仏教に龍は元々存在しなかった

仏教における龍の意味

どうもじぇいぴーえぬでぃー(@jpn.dragon)です。

最近ブログ書くのサボり気味でしたが、月のアクセス数が順調に1万PVを超えるようになりました。今は1.5万くらいかな。

 

さて、今日の話は「龍と仏教」

日本人はオレ無宗教だから!って感じの人が多いんだけど、実際は葬式もするしお墓もあるし、多くの人が無自覚の仏教徒だと思います。

お寺に行けば龍の装飾が施されてたり、龍の天井画があったりしますよね。(関連:【京都】天井画13つを徹底紹介!有名どころからマイナーどころまで

お分かりの通り、龍と仏教は深い関係があります。今日はそんな「龍と仏教」についてご紹介します。

 

龍は中国で生まれ、仏教と一緒に日本に入って来た

結論から言うと龍と仏教ははじめは何の関係性もなかったです。仏教が中国から日本に入ってくる過程で、龍と結びついています。

龍は中国で生まれた

 
 
 
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元々、龍という生き物は中国で誕生しました。いやホントのところは知らないんだけど、日本でよく見る「東洋の龍」の起源は中国だとされてます。

龍の発祥ははなんと紀元前5000年前。

ヤバない?今が西暦2020年とかなので7000年前からの話だよ?キリストとか比較になんないくらい前の話。

 

龍は元々ヘビの姿で生まれると言われているので、やっぱりヘビから連想して龍が誕生したってのが濃厚なんだとか。

あと中国では昔、恐竜の化石がたくさん出土したそうでして、恐竜の化石を龍の骨と呼んでいたとか。

そりゃあんなバカでかい骨見つけたら誰でも神様かなにかだと思っちゃうよね。

仏教誕生の地インドでは龍ではなくナーガだった

ナーガ

出典:ナーガ - Wikipedia

ご存知の通り仏教発祥の地はインドです。

インドから中国、中国から日本と伝わってきたと言われてます。もちろんそんな簡単なルートじゃないけど。

仏教がインドにある時、龍は龍ではなくナーガというヘビの神様でした。

ナーガは元々仏教の神様じゃないです。ナーガはインド古来に存在していた神様で後々に仏教に取り入れられました。

これが中国に仏教として伝わった時、中国に本来あった龍信仰と結びついてナーガが龍に置き換わりました。そうして日本に伝わった訳です。

日本にはもともと蛇信仰があった

日本にはもともと蛇信仰があった

本来、ヘビは世界中で信仰の対象となっていた生き物です。

日本でも例外ではなく、仏教伝来以前の縄文時代のころから日本人はヘビを信仰していたと言われています。

そんな日本に中国から、仏教におけるナーガと結びついた龍の文化がやってきます。そして日本に来た龍は日本古来からあった蛇信仰と結びついていきます。

 

つまり仏教にはそもそも龍の神さまなんていなかったってことよ。

インドで仏教にインドの古代神が取り入れられ、中国でそれが龍に変化した。そして日本の蛇信仰が龍に結び付けられた。

つまり「日本の仏教の龍」=「ナーガ+α」

結論をまとめると、仏教における龍の大部分はインド神話のナーガ。

それに+αして、中国の龍信仰と日本の蛇信仰の要素が組み込まれたものが、日本の仏教における龍だと言うことになりますね。

仏教における龍の意味は主に八部衆のひとつ

じゃあインド仏教にとっての神ナーガってなんなのよ?ってことについて解説します。

先ほども言った通り、仏教がインドで誕生した当初は仏教にナーガはいませんでした。ナーガは仏教が誕生する以前から存在したインド神話の神です。

 

仏教に取り入れられたインド神話の神は「八部衆」と呼ばれるものに変化します。

分かりやすく言うと「仏教を守る神様」のことです。んでもって名前からも分かる通り8人います。

ちなみに八部衆は下記の八人。

  1. デーバ(天)
  2. ナーガ(龍)
  3. ヤクシャ(夜叉)
  4. アスラ(阿修羅)
  5. ガルーダ(迦楼羅
  6. キンナラ(緊那羅
  7. マホラーガ(摩順羅伽)
  8. ガンダルバ(乾闥婆

龍の他にも「夜叉」とか「阿修羅」とかは日本でもなじみがありますよね。

犬夜叉』なんかのお陰で夜叉は魔物のような扱いですが、仏教ではれっきとした神。森の鬼神です。

阿修羅は戦いの神様としてよく知られてる存在ですよね。

 

で、肝心のナーガは雨や雲、水を司る神様です。そのため豊穣や生命力を司る神でもあります。

ナーガ(龍)には八大龍王がいる

 
 
 
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ナーガつまり龍は仏教の守護者だとお話ししました。

神様といっても1人だけじゃないんですよね。ナーガ族みたいな感じ。夜叉とかもそうなんだけど一神教ではなく神様一族がたくさんいます。

んでもって龍族の中でも有名なのが八大龍王です。

仏教にはこれらの龍の王様がいるとされています。漢字だらけでわけわかめだけど、彼らは固有名詞ね。

仏教における意味は気にしなくていい

と、ここまで仏教における龍の意味について解説してきましたが、ぶっちゃけそこまで気にする必要はないと思います。

というのも仏教って日本と日本外では結構異なってる部分が多いです。外国ではお坊さんじゃない普通の信者でも肉食えないのに日本じゃお坊さんが肉食ってたり、妻子持ちのお坊さんだって日本にはいます。

龍については中国や日本の民間信仰と結びついて仏教に取り入れられてる部分もあるので、仏教において龍はこういう意味がある!(デデン) みたいな感じに明言して定義を設けるのは難しかったりするんじゃないかなと。

最後に

まとめると、

龍は仏教かどうかに関わらず神様として扱われています。そして仏教においては八部衆と呼ばれる神様のひとつである。

ということになります。

そんな龍も当初は仏教の一部ではありませんでしたし、日本に伝来するまでに色々形を変えてきています。(日本に伝来してからも形を変えてるけど)

 

以上、龍の絵を描く人による「仏教における龍の意味」の解説でした。普通の人よりも龍について詳しいけど、専門家ではないのでご注意くださいな。